横浜市立みなと総合高校×スマイルフットサルによる復興支援イベント、今年も開催。

2012年から続いていて、2013年から情報を追いかけてきたこのイベント。神奈川県の横浜市立みなと総合高校の女子フットサル部が、東日本大震災の復興のために自分たちにも何かできないかということで、スマイルフットサルというフットサル情報サイトのバックアップをもらいながら、福島県立富岡高の女子サッカー部を招いて、フットサルイベントを開いているものです。昨年もこのHPで採り上げさせていただきました(昨年の記事はこちら→)。こんなネットの辺境にある記事でも、読んでいただけることがあるんですね。そのみなと総合高校の女子フットサル部の顧問の先生から、2月下旬、このHPが持っているツイッターアカウントにリプライをいただいたのです。今年は3月20日にやるので、よろしかったらいらっしゃいませんか。えええ!? このイベントに関して前もって情報を得ることができたのは初めてで、外部者が入れるとも思っていませんでしたし、まさか自分が訪ねていけるとは考えもしていませんでした。でも、お誘いいただいて、これはとても素敵な機会だから行こう! と思いました。なでしこリーグが始まる前の週でもありましたし(重なっていたら行けなかったでしょう)。

また、昨年にこのイベントについて採り上げてから、いろいろ進展もあったようで、そのことも事前に少し教えていただきました。

まずJFA公認のフットサルサイトにもイベントに関する記事が採り上げられました(この2つの記事はとてもよくまとめられています!!)。

【記事】フットサルでみんなを笑顔に!スマイル×みなと総合高校=200%東北復興支援イベント ~Kick Off 明日へ 仲間へ~(JFAエンジョイフットサル総合サイトj-futsal)2016/05/12

https://j-futsal.jfa.jp/news/2016/05/12/1110.html

【記事】フットサルを楽しみながら、復興支援!『プレイ フットボール!』を掲げる横浜市立みなと総合高校・女子フットサル部のその後(JFAエンジョイフットサル総合サイトj-futsal)2016/10/19

https://j-futsal.jfa.jp/news/2016/10/19/1505.html

その2本目にも記されていますが、昨年10月26日に横浜で開催された「福島の復興・創生に関する高校生と九都県市首脳の意見交換会」というものに、みなと総合高校の女子フットサル部の生徒も参加したのだそうです。この意見交換会は、j-futsalのサイトでの説明によると、「関東の1都3県(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)と5市(横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市、相模原市)の知事や市長が一堂に会する九都県市首脳会議に先立ち、福島の未来の復興を担う福島県内の高校生、復興支援に取り組んでいる首都圏(横浜市)の高校生を招き、活動報告や首脳との意見交換を行うというもの」ということで、高校生として福島県立福島高等学校スーパーサイエンス部と、横浜市立みなと総合高等学校女子フットサル部がプレゼンを行っています。会議の詳細が、九都県市首脳会議の公式サイト()にPDFの形で掲載されていますのでリンクを出しておきます。この会議は「九都県市の知事及び市長が、共有する膨大な地域活力を生かし、共同して広域的課題に積極的に取り組むことを目的として」設立されたもので、平成18年(2006年)から活動報告が載っています。また、この意見交換会のときのみなと総合高校、福島高を採り上げた記事が各地元新聞で出ていますので、それも載せておきます。みなと総合高校はこのフットサルイベントでの数年の成果を、福島高では被ばく線量に関する詳細な研究データを元に、福島の復興に向けての課題に関するプレゼンを行ったようです。

【PDF】福島の復興・創生に関する高校生と九都県市首脳との意見交換会記録(九都県市首脳会議)2016/11/17

http://www.9tokenshi-syunoukaigi.jp/70ikenkoukankaikiroku.pdf

【記事】共生社会実現へ共同宣言 九都県市首脳会議(カナロコ)2016/10/27

http://www.kanaloco.jp/article/208419

【記事】福島高生が復興提言 首都圏9都県市首長と懇談へ(福島民報)2016/10/14

http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2016/10/post_14306.html


そんなことで、行政にも高い評価をいただいたこのイベントが、今年も無事に開催の運びとなりました。お誘いをいただいてからすぐに調べたところ、今年はスマイルフットサルのページできちんとすでに1月の時点で告知が出ていました(昨年は開催日直前の告知でした)。また、富岡高の地元福島のメディアでも、事前に記事が出ました。

【記事】【3/20(月祝)】スマイル×みなと総合の復興支援フットサルイベント!参加チーム募集!(スマイルフットサル)2017/01/25

https://smilefutsal.jp/9029

【記事】富岡高女子サッカー部参加へ 横浜の復興支援フットサル大会(福島民友)2017/03/15

http://www.minyu-net.com/news/news/FM20170315-156437.php


当日。みなと総合高校の最寄り駅はJR根岸線の石川町。降りてみたら、中華街の方へ歩けってことで、向かってみたら、ここから中華街であること示す、「中華街」の文字が入ったあの例の華麗な門がどーんとそびえる、そのすぐ隣に高校がありました。えー、こんなところに笑。

10時から開会式なのでそれまでにお越しくださいとのことだったので、敷地内に入ってすぐのグラウンドを眺めていましたが、んー、始まる感じじゃない? 思い切って校舎に入ってみたら、入ってわりとすぐの広い食堂にたくさんの人が集まっていました。テーブルごとにフットサルチームが座っておられる様子。開会式はここで行われるらしい。私も、どのチームのでもなさそうな会場の隅のテーブルに座りました。スマイルフットサルの代表の方や、偉い方々のご挨拶(横浜市長や福島県知事からのメッセージも伝えられました)があって、富岡高から来た5人の選手の挨拶もあって、開会式は和やかに終わりました。

今回は参加チームの多さもあって(14だったかな?)、チームを二手に分けての総当たり戦ということで、順位にはそれほどこだわらない大会形式でした。参加者の中には、小学生の子どもから年配の方までいらっしゃいましたしね。

富岡高の試合は観たいかなって思ったので、試合スケジュールを見ながら観戦。さすが昨年も9人で戦いながらも福島県の高校選手権で優勝してしまった高校の皆さんだけあって、とても上手かった~。

空いた時間には、今年おそらく初めての参加と思われるみなと総合高校の地球科学部が、食堂の奥のスペースでやってくれたプラネタリウムを見ました(すみません、元々フットサルよりプラネタリウム寄りの人間です。。)。小さなエアドームの中で、今やもう流通していないという投影機で高校生が春の天体図を案内してくれました。近所の小学校に出張して解説することもあるとのことで、説明はすっかり慣れたもの! この日の収穫は、乙女座の代表的な星「スピカ」に関する説明でした。スピカは、乙女座の乙女が持っている稲穂の先っぽにある形で配されているのですが、このスピカというのは「先のとがったもの」という意味なんだそうです。そしてこのスピカと、サッカーシューズであるスパイクは、同じ言葉なのですって! 確かにスパイクの底はとげとげ(いぼいぼ?)だらけですからね。そうなんだ~、スピカの名前は小さな頃から知っていたけど、意味は全然知らなかった~。

また富岡高の試合を観て、次に狙うはカレーです♪ お腹空いた。。今年も「復興カレー」なるものが発売されると張り紙で分かっていたので~。この復興カレーは、宮城県立の迫桜(はくおう)高校というところが作っているお米を炊いて、みなと総合高校でカレーを用意して、カレーライスとして売られるものです。j-futsalの記事にも(5月12日の方の記事)ありますが、迫桜高のある地域は津波には遭わず、ダメージは少ない方だそうですが、某かのご縁でこのイベントに参加するようになったのでしょうね(聞き損ねた)。発売開始と同時に、カレーをいただきました笑。お米、美味しかったなぁ(もちろんカレーも♪)。この日は実は事故によって東北新幹線が止まるというアクシデントがあって、迫桜高校の生徒さんたちが到着するのが遅れたのですが、お米は前もって運んであったようで、カレーの販売には影響ありませんでした。でも、もう一つ迫桜高関連のものでほしいものがあって。それが、迫桜高で作られたお米の米粉を使って作られたというマドレーヌ。これは、生徒さんが到着してからの販売でした。売っている生徒さんに「お米は部活か何かで作っているの?」と聞いたら、農業学科というのがあって、授業として作っているらしい。「じゃあ、近くに田んぼがあるの?」「はい、グラウンドのすぐ隣に田んぼがあります」と笑いながら教えてくれました。まぁ、きっとあんまりない光景ですよね笑。フットサルを観ている間に、カレーだけではまだお腹が満たされなかったので(2杯目行くか、ものすごーく悩みましたが密かにダイエット中なので)、5つ買ったうちのマドレーヌを1つ食べてみました。そうしたら~、かじってみたところ、中身がほんのり桜色! え~? あ、味も桜葉の味がする。。材料を見たら、確かに桜葉エキス入り。迫桜の「桜」を込めてのアイディアかなぁ。地元の洋菓子店の協力を受けて、コラボ商品として売られているのですが、これは行ける!

その他にも、食堂の隅では大きな横断幕づくりも進んでいました。今年は紺地に白を基調にしたもので、すでにみなと総合高校や富岡高の子たちと思われる書き込みがされていました。眺めていたら、書き込み自由なのでどうぞ、と言われたので、ちょっとばかし参加。

食堂の別の場所では、フットバッグというお手玉のようなものをリフティングなどの技術を使って披露するスポーツ?で世界チャンピオンになった方のブースも。フットバッグ自体が売られていたり、掲載誌が閲覧できたりしました。

お昼の時間帯には、いちばんのメインイベント、みなと総合高校の女子フットサル部と、富岡高校の女子サッカー部のエキシビションマッチが行われました。Fマリノスだったかな、試合中継でレポーターなどもなさっているという方が来場してくださっていて、このエキシビションマッチでは試合中に解説らしきものを入れてくださいました。そうそう、グラウンドでは、大会の試合中、ずっとみなと総合高校のDJ部が音楽を流してくれていました。今時の高校生が聴いている音楽ってこんなのかぁとか思いながら。けっこういい曲もあって、曲目判別アプリに聞かせてチェックしたりしちゃいました笑。エキシビションマッチは、とてもいい緊張感とフレンドリーな雰囲気にあふれていて、白熱した試合でした♪ 1-0で富岡高の勝利!

その後、グラウンドを二つに分けていた仕切りを取り払って、前述のフットバッグの方と、フリースタイルフットボーラーの方の演技披露がありました。両方とも人間業じゃない感じ。すごい笑。お二人ともアドリブでの掛け合いも素晴らしく、楽しい時間でした。

さらにその後。私は、すみません、名前を知らなかったのですが、PrizmaXという5人組のダンスボーカルユニットの方々(2002年結成でいろいろ変遷があるようです)が、ご縁があってイベントに参加してくださっていて、そのライブがありました。これもアイドル系がやや苦手な私でも気持ちよく聴けるライブでした。この時間帯だけ、PrizmaXのファンの方々も集まってきて、最後にはフットサルに参加された方々との集合写真なんかも撮っていました。

午後の試合が開始される、という頃に、少し体調が落ちてきたかなと感じたので、失礼しました。

会場に滞在中、お誘いいただいた顧問の先生にも無事にご挨拶ができましたし、開会式でも司会的に音頭をとっていらしたスマイルフットサルの代表の方ともお話をさせていただくことができました。ちょっと気になっていたのが、今年は、ふたば未来学園(この3月で休校になった富岡高ほか福島の休校を余儀なくされた高校が吸収される形でできた中高一貫の学校)の子たちが来ていなかったことでした。このふたば未来学園や富岡高のことについては、私がなぜ富岡高に興味を持つようになり、このイベントの存在を知り、密かに応援するようになり、今回休校に至って地元の女子サッカーチームであった元東京電力マリーゼのOGと記念試合をしたことなどについて、別のエントリーで詳しく書かせていただいたので、よかったらそちらをご覧ください()。昨年は、富岡高は、このふたば未来学園との合同チームで女子サッカーの公式試合に参加していて、昨年のこのイベントにも一緒に来ていたようだったので、今年もそうかなと思っていたのです。でも開会式の自己紹介のときに、富岡高の生徒さんたちが、今年はこの3月で卒業した3名とOG2名で来ましたと仰っていて。ふたば未来の子たちが来られないとなると、イベントの存続はどうなるかな、とちょっと心配したこともあって、、スマイルフットサルの代表の方に、ちょっとナイーブな話題かもと思いつつ伺ったら、実は今日、福島の方で復興イベントがあって、ふたば未来学園の子たちはそちらに参加することになって、それで来られなかったんですと教えてくださいました。そうか! なら仕方ないし、来年は上手く調整がとれるに違いないと思い、安心しました。また、スマイルフットサルという団体について、元々スポーツによる社会貢献ができないかと模索していらっしゃって、その一つの手段としてフットサルというものに関わっておられるとのことでした。

実は、富岡高の生徒さんたちが近くにいたときに、ものすごく迷った末に思い切って声をかけさせてもらいました。まぁ私はフットサルやるようにも見えなかったろうし、完全に得体の知れない人物だったわけですが、自分は女子サッカーを応援していて、ホワイトアワードというものをきっかけに富岡高のことを知ったんですよ、と言ったら、彼女たちは話としては聞いたことがあるような?という感じでした笑。確かに彼女たちが入学する以前のことですから、当たり前なんですが、高校生は毎年入学してきて卒業していきます。それはみなと総合高校の女子フットサル部の生徒さんたちも同じこと。この日はみなと総合高校の女子フットサル部のOGの方たちもいくつかのチームを組んで数多く大会に参加されていて、イベントを支える志を感じましたが、生徒さんたちがどんどん通過していく歴史の中で、どこまで復興を応援したいという気持ちを伝えつづけられるかはひとえに周囲も含めてどれだけ当事者の皆さんと交流する意志を持てるか、寄り添えるかの熱意にかかっているなぁという印象を持ちました。個人的には、富岡高の皆さんに、東京の人間として富岡高を密かに応援してきたこと、最近のマリーゼとの試合のことなども含めて、舌足らずながらお話しできて、エキシビションマッチの勝利のお祝いも伝えられて嬉しかったです。

グラウンドに向かって掲げられた「復校富高」の4文字の垂れ幕を眺め、今横浜でそれを見ている自分の立ち位置を感じながら、今日は来てよかったなと思いました。

メディアが何社か取材に来ていたようでした。中でもNHKは当日すぐにお昼のニュースでとりあげてくださっていて、動画つき。

【記事・動画】福島の高校とフットサル交流(NHK神奈川)2017/03/20

http://www3.nhk.or.jp/lnews/yokohama/1056058281.html

それから3月27日(月)のNHKEテレにて、23:00~23:20の「福島をずっと見ているTV」にて、vol.67として「富岡とともに・・・。」というタイトルで放映が決定しています。

【記事】福島をずっと見ているTV vol.67「富岡とともに…。」(NHK)

http://www4.nhk.or.jp/fukushimazutto/x/2017-03-27/31/5365/1685048/

メディアの記事は他にもまだ上がってくる可能性もあります。そのときはここに追記します。

イベントに関わられた皆さま、お疲れさまでした! イベントの様子を拝見させていただき、ありがとうございました。このHPで自分のやっていることが現実に繋がるという体験は、病気で長く社会の前線から離れている自分には大事なものだったように思います。お声かけをいただいたことに、感謝いたします。

また、今年は宣言したように好きな選手の応援に集中するため、記事にするまでには至らないかもしれませんが、女子サッカーが果たしているさまざまな文化的な側面での役割については、これからも追いかけつづけていくつもりです。検索などでうちの記事にヒットしてしまうことがあったら、笑って読んでやってください。



nadeshiko mini news

女子サッカーがいつも見えるところに。

0コメント

  • 1000 / 1000